◆ 一言画像の真相
保育士資格を持つ28歳がベビーシッター業務中に不祥事を起こして逮捕をされたことが一斉に報道されました。
そして私たちが発信をしたものは・・・
”一蹴の一言画像”
でした。
実はこの一言を選択するのに2人で多くの時間を費やして色々考えました。実際に「カタカナ」「色」「。の有無」様々なレイアウトを作ってみたりして、最も印象に残るものを作りました。
(多分この行動自体が最も上述の一言にふさわしいかもしれません)
繰り返しますが、結論から言うと「一蹴」です。
くだらなすぎる愚行だからこそ、論じるに値しないと考えてあえて触れないのも一つの答えでしたが、多くの保育士。そして保護者の方々がこの報道に対して多くの怒りを憶えていた。
しかし、そのまま「スルー」というのは、これだけ最近保育について発信していく中で、やっぱりそれは違うのかなって思ったので私たちはあえて発信することを選択しました。
◆ 物事の捉え方や感じ方は人ぞれぞれ
このブログを発信する前に、何名かの保育士とTwitter上やDMでお互いの想いを伝えあいながら「私たち以外の客観的な視線や観点」という部分を改めて教えてもらいました。その中で「私たちの発信に疑問がある」という方々には多くの想いをいただきました。
(皆さん本当にありがとうございました!)
全員が賛同する文章なんて作るのは難しいですが・・・それも承知でこれが私たちの想いと見解です。
また私たちは原則として他者の考えや行動について否定・批判はしないようにしていますが、、、2つのことについては今回疑問を抱いています。
(今回は感情が誤って伝えたくないのといつも以上に真剣なのであえてイラストは使いません。)
◆ 2つの怒りと疑問とは…
① 被害にあった子どもと保護者に対して謝れ
◆まいまい
だいすけくんは今回、何に一番怒りや疑問を持っている??
◆だいすけ
「被害にあった子どもとその保護者に対して一生をかけて謝れ」だよね。心に残った傷は一生消えないってことは絶対に理解させなきゃいけないし、私たちも改めて考えなければいけない。本当に辛い想いをさせてしまったんだろうなって。この人に関しては論じるに値しないよね。
◆まいまい
正直、この人に対して怒りを抱いた人は相当多いはず。本来は保護者目線でも物事を考えなければいけないのだけれど、まずは同じ資格を所有している保育士の怒りを代弁する形で、一番冷たく感情が込められてない言葉で「一蹴」させてもらいました。
◆だいすけ
「一蹴」って言葉で片付けているけれど、この世界に10年以上居て、毎回このような報道が出るたびに「またか」という想いと「自分はこの報道を受けてどうすればよいのか」って繰り返し考えている自分がいるよね。
◆まいまい
みんな同じだと思うし、そう思わなければいけないと思うよ。
実際にだいすけくんはすぐにコメントをくれた保育士さんたちとも「一蹴」とは裏腹に今回の件について重大と考えて真剣に話をしているのだから。特に肯定的に捉えた人たちとは実際の所、笑っているのではなく苦笑いなのだからさ。
② 報道の在り方「性別は関係ない」
◆ まいまい
こないだもブログで話したけれど、私は今回も含めて「男性保育士」を強調した報道の在り方に疑問を持っているの。事実ではあるけれど、これが銀行員の不祥事だったら「男性銀行員」なんてわざわざ言わないでしょう。
◆ だいすけ
私もそう思う。報道側は事実であることに間違いないし、注目を浴びせる為の表現の一つだとは思うけれど、「保育士の逮捕」でいいじゃんって。
◆ まいまい
私はあの言葉を「報道の取り上げ方」にも言ったのよ。今回の不祥事って単純に「人として道を外したこと」「保育士という国家資格を持ったプロとしての自覚の致命的な欠如」でしょう。男性という言葉に反応しがちだけれど、今回の問題に男女は関係ないと思っている。
◆ だいすけ
そうなんだよね。こういう不祥事が発覚すると、SNSで想いを発信するのって男性保育士ばかり。実際に保育現場の95%は女性なのに、その割合的には偏りを凄く感じるんだよね。実際にいち早く反応をくれたのも男性保育士が多かった。おそらくだけれど・・・
男性は思ったことを発信する特徴が多く、女性は発信をしないだけで冷静に傍観しながら考えている人が多いだけだとはと思うけどね。
◆ まいまい
でも実際として私たちみたいに「男性保育士」という部分が強調されるように感じられる報道の仕方だとやはり「性別の問題」という風に捉われてしまう。
今回のような不祥事は性別によるものではなく「保育士の不祥事」という部分で考えていかないと保育業界全体としていけないというのを改めて強調したい。
◆ だいすけ
少し話は逸れるかも知れないけれど、このコロナ騒動の中で「保育士さんありがとう」という温かい声が沢山寄せられた中で、保育士に対する信頼や評価というものが上がってきたものをこの人が一気に崩してくれたなっていうのはやっぱり・・・ね。
◆ まいまい
同じ性別である女性の私が発言すると色々と思われるかもしれないけれど、やっぱりこれは「保育士」と報道して保育業界全体で起きた不祥事だからと考えるべき。
◆ だいすけ
逆だよ。同じ女性の立場で想いを伝えるから、言葉に重みを感じるし、偶然かもしれないけれど、少なくとも私は今まで男性保育士の不祥事に対して女性も同じ立場で考えた上で自分たちの行動を見直そうなんてここまでハッキリとした信念をもった女性保育士さんには出会わなかったから、言葉に凄く新鮮味を感じる。
◆ まいまい
これは男性にも言える共通のことだけれど、今まで当たり前のように日々の保育の中で行ってきたことも、冷静に考えれば「おかしい」と思われることもあるかもしれない。
今回は誰が考えても逸脱した行為だけれど、以前も話したように男性が子どもに行っていることに違和感を感じることがあっても女性の場合は全く同じ行動をしていても違和感を感じないこともある。だけれどそれを保育士以外が客観的に冷静な目線で見た場合に「それはおかしい行動なのではないか」と指摘されることもあるということは考えないといけないよね。
◆ 発信すること会話をすることで生まれる発見
◆ まいまい
でもね。男性保育士は自らを「男性保育士」 と名乗ることが多いでしょう。育児についても「イクメン」とか。なんか自ら男性という部分を構えてしまっている考え方も、この保育という世界では特徴的なのではないのかなって私は思う。
◆ だいすけ
・・・そうかも知れない。
これだけこのブログで男性保育士と女性保育士について話してきていて、潜在的な部分で一番意識をしているのは私なのかも知れないね。きっとそれは保育士という仕事を意識し始めた中学生の時から今までずっと続いているのかもしれない。
確かに言われてみると実際に私は保育士1年目で挫折をした。でもそれは「自身が女性社会の中に男性という部分を全く意識しないで踏み込んだ」という認識だったけれど、そうではなく「単純に既に出来上がっている組織の中で新しく入っていくことに対して社会的な考え方が未熟だった」ということなのかも知れないね。
この世界にもう15年近くいるけれど、、、「男性保育士は特別な存在」という考え方が視野を狭くしていたのかもしれない・・・。
【2人から】
こうして想いを外に発信をすること。他者と会話を交わすことで新しい発見をしたり考え方の視野って凄く広がりますよね。実際に今回は私たちはかなり極端な発信をしたことをしたことで「不快」を感じる方も多かった。だからそのような意見についても有難く受け止め、そのような方に対してもしっかり伝わるように今回の発信をさせたいただきました。だからこそ・・・
不快な想いをさせてしまった皆さんに。そして誤解を招く表現をしてしまったことについてはこの場で改めてお詫び申し上げます。配慮が足りず申し訳ございませんでした。
◆ 最後にあっぷるジンジャーの2人から
改めてこうして真剣に意見を交わしていくと、、、やっぱりこの世界に魅力を感じている同じ保育士としてこのようなことが起きると悔しいですよね。
・・・悔しい。
繰り返しますが一番は被害にあった子どもとその保護者です。そして今回の件で「保育士」や「ベビーシッター」に対して「恐怖感」や「不信感」を与えてしまったことは大問題だと思います。
でもね。実際にはこの人のイメージを覆すほど、日々努力をしている一生懸命な保育士さん。凄く暖かい眼差しで子どもと向き合っているベビーシッターさんも多くいるんです。
保育園に預けられなくて困っている保護者を支援していきたいという想いがあるからこそ会社を立ち上げた経営者。そんな保護者や子どもたちに笑顔と安心を直接提供したいと思って働いている現場の保育士・ベビーシッターがいるということをご理解いただけたら大変嬉しいです。
2020年4月25日(土)
保育士ユニット:あっぷるジンジャー